民法18
時効に関する以下の記述のうち正しいものはどれか。

1 所有権以外の財産権も時効取得は可能だが、債権については占有を観念できないた
め時効取得することはできない。
2 取得時効の成立には、占有の継続が必要なので、侵奪行為によって占有を失った場合には、占有回収の訴えによってその後占有を回復しても取得時効は中断する。
3 土地の継続的な用益という外形的事実が存在し、かつ、それが賃借の意思に基づくことが客観的に表現されているときは、土地賃借権の時効取得が可能である。
4 取得時効を主張する時効援用権者は、占有を開始した以後の任意の時点を時効の起算点として選択することができる。
5 他人の物を占有することが取得時効の要件なので、所有権に基づいて不動産を占有していた場合には、取得時効は成立しない。

答え3
正しい。最S43.10.8

 

誤っているもの

1 163条。賃借権は、債権であるが時効取得が認められている。
2 占有回収の訴え(200条)で勝訴すれば、占有は継続していたものとされるので占有の継続が擬制され、取得時効が成立する。
4 必ず、時効の基礎たる事実の開始した時を起算点として時効完成の時期を決定すべきものであって、任意に選択することはできない。最S35.7.27
5 162条は、取得時効の要件として、他人の物の占有をあげているが、所有権に基づいて占有したものも包含する。最S42.7.2.